地下鉄姪浜駅より徒歩4分の耳鼻咽喉科・アレルギー科

矢野耳鼻咽喉科

副鼻腔炎・鼻出血

副鼻腔炎・鼻出血Sinusitis / Epistaxis

急性副鼻腔炎

急性副鼻腔炎とは、上顎洞、篩骨洞、前頭洞、蝶形骨洞などの副鼻腔におこる急性炎症のことを言います。
多くの場合、急性上気道炎を契機に、鼻腔から副鼻腔に炎症が波及し発症します。
ウイルス感染が発端となり、やがて細菌感染に移行します。

副鼻腔炎

症状

  • 急性におこる鼻汁、鼻閉、咽頭痛、発熱、咳、痰などのかぜ症状で始まり、発熱や咽喉頭の症状が消退した後も鼻汁や鼻閉が持続します。
  • 顔面痛(頬や目の周囲が痛む)・頭痛(おでこ)
    頭を下に向けると痛みが強くなる
  • 歯痛(歯が痛む)
  • 黄色い鼻水(膿性鼻漏)

診断

  • 内視鏡検査
    鼻から細いファイバースコープを挿入して、鼻腔内の病変を観察します。
    鼻腔ポリープの有無や鼻腔粘膜の腫脹、後鼻漏の状態などが詳しくわかります。
  • 副鼻腔CT検査
    副鼻腔病変の範囲や程度、周囲組織との関係等を評価します。
    特に、篩骨洞(目の間)、蝶形骨洞(目の裏側)の病変や上顎歯の歯根部の炎症が上顎洞に進展しておこる歯性上顎洞炎の診断に有効です。

治療

  • 適切な抗生剤の投与
  • 鼻処置

慢性副鼻腔炎

副鼻腔炎が3か月以上持続し、慢性化した状態です。

症状

症状は感冒と類似しており、増悪・寛解を繰り返すことが特徴です。

  • 鼻漏、鼻閉、せき、のどのいがいが感など
  • 鼻腔ポリープを高率に合併
  • 頭痛、眼痛、頭重感
  • 嗅覚障害

診断

  • 内視鏡検査
    鼻から細いファイバースコープを挿入して、鼻腔内の病変を観察します。
    鼻腔ポリープの有無や鼻腔粘膜の腫脹、後鼻漏の状態などが詳しくわかります。
  • 副鼻腔CT検査
    副鼻腔病変の範囲や程度、周囲組織との関係等を評価します。
    特に、篩骨洞(目の間)、蝶形骨洞(目の裏側)の病変や上顎歯の歯根部の炎症が上顎洞に進展しておこる歯性上顎洞炎の診断に有効です。
  • 細菌培養同定・薬剤感受性検査
    鼻汁に繁殖している細菌を同定し、有効な抗生物質を選択します。

治療

  • 臨床症状、画像診断による副鼻腔病変の重症度(CT 等)により治療方針を決定します。
  • 慢性副鼻腔炎に対する「マクロライド系抗生物質の少量長期療法」の有効性が報告され、現在では薬物療法の中心的な位置を占めています。
  • アレルギー性素因を背景に有する症例では、抗アレルギー薬を併用します。
  • 保存的治療を続けても改善しない例や鼻腔ポリープを認める例では手術療法を検討します。

好酸球性副鼻腔炎

近年、難治性で、早期に嗅覚障害をおこし、再発を頻回におこす、好酸球性副鼻腔炎が増加しています。喘息の合併が多く、鼻腔・副鼻腔の粘膜に好酸球という炎症細胞が多数浸潤します。

  • 好発年齢:40歳代

症状

  • 嗅覚障害:
    早期から出現
  • 鼻閉:
    両側性の多発性鼻腔ポリープを高率に合併
  • 鼻汁:
    ニカワ状で極めて粘稠

診断

  • 血液検査:
    血中の好酸球数の増加
  • 副鼻腔 CT検査:
    副鼻腔病変は、上顎洞よりも篩骨洞が高度
  • JESREC スコア
項目 スコア
病側:両側 3点
鼻茸あり 2点
篩骨洞陰影/上顎洞陰影 ≧1 2点
血中好酸球数(%)
2< ≦5% 4点
5< ≦10% 8点
10%< 10点

好酸球性副鼻腔炎診断基準(JESREC Study)

好酸球性副鼻腔炎の重症度分類

好酸球性副鼻腔炎の重症度分類

治療

  • 従来の慢性副鼻腔炎とは異なり、「マクロライド系抗生剤の少量長期療法」は効果が期待できません。
  • 軽~中等症例では、抗ロイコトリエン薬、ステロイド点鼻薬、ステロイドの経口投与等で治療。
  • 難治症例や再発例では手術をおこない、長期にわたる管理が必要となります。

鼻出血

鼻は血流が豊富な場所で、刺激により出血を起こすことがしばしばあります。多くは、鼻中隔の前方部の「キーゼルバッハ」と呼ばれる部位からの出血です。
アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎で鼻を強くかみすぎたり、いじりすぎたりして出血しやすくなっていることがあります。

  • 内服薬(抗凝固剤など)、基礎疾患(高血圧、肝疾患など)のチェックを行います。
  • 血液疾患(白血病、血小板減少症など)、鼻腔・副鼻腔腫瘍、鼻腔ポリープなどが原因のこともあります。

治療は、

  1. 小鼻の部分を指でしっかりつまむ(5分以上)
  2. ガーゼによる圧迫止血
  3. 電気メスによる凝固止血 など

症例により、血液検査、ファイバー検査(出血部位の確認、腫瘍・ポリープなどの除外)、CT等を行います。

CT(低被爆、耳鼻科専用CT)
【画像】CT(低被爆、耳鼻科専用CT)

低被爆(一般CTの1/10~1/20以下)で、病変を3方向から立体的に観察可能。診断精度が格段に向上します。

【画像】鼻血が出た時の対応
【画像】日常生活での注意