■当院での手術
下鼻甲介粘膜レーザー焼灼術(鼻粘膜レーザー治療)
■このような方にお勧めしています
- アレルギー性鼻炎、花粉症、肥厚性鼻炎などが適応となります。
- 薬が効きにくい方、薬が合わない方、薬を減らしたい方、鼻づまりが強い方、妊娠を考えている方、などにお勧めしています。
■どんな治療?
- 下甲介粘膜にレーザーを照射することにより、粘膜下の組織を減量させる治療法です。
- 症状(鼻づまり・鼻漏・くしゃみ)の改善、薬の減量を目的に行います。
- 治療後、数日から 1 週間は一時的に鼻炎症状が悪化しますが、その後、過敏性の減った新しい粘膜が再生してきます。
- 外来で施行可能です。
■手術時間は?
- 手術施行時間は、ガーゼによる局所麻酔が 20 分程度、手術時間は両側で 10 分程度です。
■可能な年齢は?
- 我慢できるお子さんは、5 歳くらいから可能です。
■花粉症の方は施行する時期に注意
- 花粉飛散期 (2 月~4 月) のレーザー治療は、症状がさらに悪化する可能性があるため行っておりません。花粉飛散前にご相談ください。
- 花粉症がない方はいつの時期でも施行可能です。
■レーザー治療は予約制です
- 当院では、診察にてレーザー治療の適応があるかの判断を行った後、レーザー治療施行日を完全予約制で決めております。
■効果は?
- 効果の出方は重症度や個人差によりますが、約 75%の方に有効と言われています。
- 鼻閉に対する効果が最も期待できます。
- 効果が 2 年以上持続する方もあれば、効果がでない方もおられ(約 25%)、レーザーに対する粘膜の反応は個人差が大きいと言われています。
鼓膜切開術・レーザーによる鼓膜開窓術・鼓膜チューブ留置術
当院では、 急性中耳炎(重症例)・反復性(難治性)中耳炎・滲出性中耳炎に対し、症例ごとに十分検討して、最善の方法を選択・施行します。
■鼓膜切開刀による鼓膜切開
- 通常の鼓膜切開法で、切開孔が数日で閉鎖し、再発することがしばしばあります。
■レーザーによる鼓膜開窓
- レーザーを使用して、鼓膜に円形の小さな穴を一瞬にして作成することができます。
- 切開孔のサイズは自由に設定可能で、中耳炎の状態により決定します。
- 1ー3 週間切開孔が維持でき、治癒率が高くなります。
■鼓膜チューブ留置術(短期用チューブ・長期用チューブ)
- 非常に良い治療法ですが、鼓膜に穿孔が残ることがあります。
- 中耳粘膜の改善を目的に、短期用チューブで 1~3 か月程度、長期用チューブで1~ 2 年程度、チューブ留置を行います。
鼓膜穿孔閉鎖術
従来の手術法では、耳後部皮膚を切開して、皮下組織を採取し、組織接着剤を使用して鼓膜穿孔部に貼り付けます。
この方法は、皮膚切開も組織接着剤も不要で、鼓膜用レーザーと人工皮膚材を用いて短時間に行える、低侵襲の方法です。
■どのような手術?
1)麻酔液を浸した綿球を穿孔周囲の鼓膜面に10分程度置きます。
2)鼓膜用レーザーにて、鼓膜穿孔縁を処理(新鮮化)します。
3)人工皮膚材で穿孔部を塞いで終了です。
■適応は?
1)外傷性鼓膜穿孔、2)慢性穿孔性中耳炎、3)鼓膜換気チューブ脱落後の鼓膜穿孔残存など。
- 慢性中耳炎では、耳漏が少なくとも3か月は見られないことが必要です。
- 鼓膜の石灰化が強い例や鼓膜穿孔の位置・大きさによっては、手術が困難なことがあります。
- 鼓膜が菲薄化している症例では、かえって穿孔が拡大することもあります
- パッチテストで聴力の改善がない場合は、鼓室形成術を考慮します。
■検査・診療機器
CT(低被爆、耳鼻科専用CT)

低被爆(一般CTの1/10~1/20以下)で、病変を3方向から立体的に観察可能。
診断精度が格段に向上します。
電子内視鏡(NBI・ハイビジョン対応)

ハイビジョン、NBI(Narrow Band Imaging:表面血管を強調)対応の高画質内視鏡。
鼻腔・咽頭・喉頭などを詳細に観察し、表在がん、早期がんの発見に有用です。
喉頭ストロボスコープ

高速の点滅光(ストロボ)を利用し、声帯振動をスローモーションで観察する検査です。
声帯の粘膜波動・振動などを、色々な発声条件で観察します。
スローモーションで見ることで、声門閉鎖不全や声帯の不規則振動などを詳しく観察することができます。
エコー

くびのしこり・腫れなど、頭頚部領域(甲状腺、耳下腺、顎下腺、リンパ節、筋肉、血管など)の詳細な観察を行います。
OtoLAM(鼓膜切開用レーザー)

瞬時に鼓膜に丸い穴をあける、最新式のレーザーです。
切開刀による鼓膜切開と比べて、出血が少なく、長期に切開孔を開存させることが可能。
短期間で再切開が必要となる症例が少なくなります。中耳炎重症例や反復例で使用します。
赤外線眼振画像TV装置

めまいの眼振をTVモニターで観察する装置です。
ビデオ式眼振計測装置(VNG)

正確な眼球運動の計測が可能。
指標追跡検査、視運動性眼振検査など、めまい疾患の鑑別に用います。
重心動揺計

体のふらつき・バランスの状態をコンピュータで解析し、めまいや平衡障害の評価を行います。
聴力検査

当院の聴力検査室は、2重防音扉の完全防音設計で、高度の遮音性能をもち、正確な聴力検査が可能です。
DPOAE

乳幼児の聞こえの評価・心因性難聴の鑑別などに用います。
処置用顕微鏡

耳の処置手術などをおこないます。
ネブライザー

エアー回路に除菌フィルターを装備しており、清潔なエアーがでてきます。
ネブライザーキット・ノーズピース・マウスピースは、完全滅菌消毒を行っています。